ないさいむや

取締役、監査役の任期の変遷

 商法、会社法とは営利を目的とした活動について規定した法律であり、商業登記法は商法や会社法の規定による登記すべき事項とその他の手続きについて書かれた法律である
 商法は歴史的にその基本的原理がたびたび変化するので、その手続法を定めた商業登記法もそれにそって、変化しております。
 以下、取締役、監査役の任期を中心にわかりやすく解説いたします。

 商法は明治32年に成立した法律ですが昭和26年以降の役員の任期は次のように変化しています
 


 商法は明治32年施行時、株式の譲渡制限は認めていたが、昭和25年の商法改正に伴い、株式の譲渡制限の登記を職権で抹消した。
 昭和41年の改正で再び、譲渡制限の設定が可能になった。
 よって、昭和41年施行日以前の設立の会社には株式の譲渡制限の登記がないので、再び設定の登記をする必要があります。

 およそ全企業の86.5%をしめる小規模事業者でも譲渡制限の登記がないものが見受けられます。

 平成18年5月1日の会社法施行によりこれら譲渡制限のついていない会社はほとんどが株式を公開していないにもかかわらず公開会社といわれます。
 株式を公開していないにもかかわらず、会社法では公開会社の範疇に入りますので取締役、監査役の任期は相変わらず、原則各2年と4年となっております
 小規模事業者でも公開会社のままにしている会社があります。公開会社のままにしておくメリットしては取締役を2年で、監査役を4年で解任を強制することなく株主総会の決議で入れ替えることができます
 しかし、家族経営が多数を占める小規模事業者にとって、公開会社のままであることは不都合であることもあります
 会社法上の公開会社すなわち株式の譲渡譲渡制限の設定のされていない会社を実態に即した非公開会社にすことにより取締役及び監査役の任期を10年に伸長することができます。

 手順 株式の譲渡制限の設定(会社法107条1項1号、108条1項4号9)
 Ⅰ 買取請求権の確保の手続き(116条、118条)
    1 株主総会の特殊決議(309条3項1号)で定款変更の決議
    2 株式の譲渡制限の設定の効力の発生日の20日前までに株主や
      新株予約権者への通知又は広告、1の株主総会招集通知は原則
      2週間前であるが、次のⅡの通知と併せて20日前までに
      併せて通知する

 Ⅱ 株券提供広告の手続き(219条)
   株式の譲渡制限の設定の効力の発生日の1ヶ月前までに広告し、
     かつ、知れたる株主、登録株主質権者へ格別の通知を要する
     ただし現実に株券を発行していない会社につては、
     別紙の株主名簿を添付すれば不要。
 
 Ⅲ  株券を発行する旨の定款の定めの廃止手続き8218条)
     株主総会の特別決議(309条2項11号)
     効力発生日の2週間前までにする株主、
     登録株式質権者に対する株券廃止広告及び通知
     ただし現実に株券を発行していない会社につては別紙の
     株主名簿を添付すればよい。

 以上原則Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの3つの手続きが必要となりますが現実に株券を発行していない会社についてはⅡの株券提供公告の手続き及びⅢの手続きのうち、株券廃止公告は不要となります。